君はイエスタディをうたえるか?!

漫画や小説は、ドラマや映画と違いエンディングに10年20年かかることがあります。
 子供の頃に読み始めた漫画が社会人になってから完結。や、働き始めた頃読んでいた本が、中堅になった頃架橋を迎える。なんてことは割りとよくある話です。国民的海賊漫画も気がつけば18年ほど、小学生で海賊を目指した少年少女達は社会に羽ばたきメキメキと頭角を表す頃になるわけです。
 もじゃが長年追っていた作品が、先日エンディングを迎えました。さながら某海賊並みに長い年月をかけた作品ですが、既刊は10冊そこそこ。物語の次巻も2年経たない程度のお話でした。
 
 大学卒業後うだつのあがらないフリーター主人公と、自分の世界を作っちゃったヒロイン二人。右に左に傾き揺れ動く人間模様と、現れる恋敵にやきもきする作品でした。
 編集部(作者)的には「ハッピーエンド」だったらしい本作を読んだもじゃの、率直な感想は「やりきれない」でした。あの世代の恋愛がそういう形を迎えるのがよく分かるだけにやりきれない思いがあります。
 憧れを昇華できなかった主人公と、はじめの一歩を忘れられなかった同級生ヒロイン。
 兄の幻影を重ねられた自分に葛藤する恋敵と、自らの道を守ったGoingMyWayヒロイン。
 一人をすきでいるという強い思いの弱さと、想い続ける重さに揺れ動いた気がします。